いぶりがっこ ふたを開けると。。。

11月に漬け込みをしました、燻した大根づけ”いぶりがっこ”。

数日前、浸かり具合を確認するために、一樽、開けてみました。

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うーん。。。。

細めの品種の大根はまずまず。

しかし太めの品種の大根は明らかに”いぶりがっこ”には程遠い味と香り。

生の大根のような歯ごたえと、すえたような微妙な味。

明らかに乾燥不足、つまり、燻し具合が足りない感じです。

初めてのチャレンジだった去年の方が、もっと良い感じでした。

今年は本格的な製造ということで、たくさんの大根を燻したため、大根の乾燥がうまく行かなかったようです。

昨年指導いただいた秋田の方に確認したところ、今回の規模のいぶり小屋であれば、今回の2倍以上の火力が必要だったとのことでした。一昨年、現地に視察に行った際に「いぶし8割」といわれた理由がわかりました。いぶし始めから途中の火加減も、微妙な調整があるようです。

今年の秋の暖かさで大根が大きくなりすぎたことも、禍いしました。

数少ない細めの大根は、塩がちょっときつめですが、美味しくできています。

期待していた皆様には大変申し訳ございません。大々的に販売するほどの量はありません。

蒜山耕藝の食卓「くど」でメニューの一品としてお出しするか、お問い合わせいただいた方に少量、お分けするくらいしかできません。

「丸もち」や「あられ」など、自ら栽培した原料を使った、さまざまな加工品をお売りしている蒜山耕藝ですが、そのほとんどはその道のプロに製造をお願いしています。そのなかでも、数少ない自社製造であった「いぶりがっこ」でしたので、残念な気持ちです。

でも、日々、お世話になっている製造の方々の凄さと、苦労が実感できてよかったです。

農業は、生命である野菜や稲が、健やかに育ってもらうための環境づくり。主役はあくまで作物で人間ではありません。でも、加工品の製造となると、素材に寄り添う姿勢は大事ですが、あくまで、主体は人間。素材の良さを損なわず、その美味しさをさらに昇華させる技を磨かなくてはなりません。

農業者とは、また、違った心構えが必要なのだと、改めて思いました。

よく育ってくれた大根たちには申し訳ないですが、また、一つ学ぶことができました。

改善点は明らかですので、少しづつ本物に近づいていけたらと思います。

桑原広樹

 

 

 

 

 




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