2018年。今年のお米の販売について。

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9月に入り、ここ中和地域でも稲刈りが始まりました。
ですが、8月までの晴天が嘘のようにほとんど晴れ間が出ず、雨がしとしと降る日々です。
あぁ、あの眩しい太陽はどこに行ってしまったのでしょう。

表があれば裏がある。
この夏の少雨は秋の長雨になるだろうと予想はしていましたが、あまり嬉しくない予想は見事に的中しました。
蒜山耕藝の稲刈りは来週以降の予定ですが、秋冬野菜の管理や麦の播種準備に大切なこの時期の雨は野菜と麦に後々影響が出て来そうです。

さて、ここ最近、知り合いの稲作農家さんのSNSやブログで新米の案内を目にするようになりました。
そんな時期なんだなーと思っていたら、有難いことにこちらにもメールやお電話でお米の販売についての問い合わせが多くなってきました。

 

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蒜山耕藝の2018年度産の新米の販売ですが、今のところ10月10日過ぎの告知・販売開始を予定しております。
販売については今年からオンラインショップを予定しております。This!
今月の終わりから10月初めにかけて稲刈りをして、収穫量が判明してからのご案内となります。
いざ収穫をして籾摺りをするまで何が起こるかわからない(私たちのあるあるです!)ため、ご予約は一切承っておりません。

 

販売予定のお米ですが、今年もササニシキ、亀の尾、ヒメノモチの3品種となります。

全体では約4haほど作付けしました。
内訳としては、

ササニシキが約1.8ha
亀の尾が約1.6ha
ヒメノモチが約0.6ha

全体の4haというのは過去最大の作付けです。
去年より1haほど増えたのですが、想像以上の作業量の増加でどうなることかと思いました。でも助けてくれる友人や研修生のこんちゃん、そしてバイトで入ってくれた皆に支えられて何とかこの時期を迎えられることになりました。

 

そして気になるお米の出来ですが、これは収穫してみないとなんともいえません。
作付け量が増えたので、総量は去年を下回ることは無いはずですが、面積当たりの収穫量は去年よりあるかどうか。
調子が良い田んぼもあるのですが、初期の虫の影響で厳しい田んぼも結構あります。

 

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イネはとても懐が大きくて、どのように育てても結構しっかり育ってくれます。
耕しても、耕さなくても、水が浅くても、深くても。肥料があっても無くてもそれなりに育ちます。
名人は当然立派に育てますが、知識も経験も無い人が1年目から立派に育てられることもある。
時には子供が手植えした稲がびっくりするほどの稲になることだってある。

そんな稲を自然栽培で育てて7年になりました。
自分の田んぼでは自然栽培歴が長くなるほど、何かミスをすると如実に稲に影響が出やすくなっている気がします。今年は田植え後のイネミズゾウムシの大発生がその顕著な例で、良かれと思ってしてたことが反対の結果に。
懐の大きいイネも時には厳しいメッセージを発してくれます。

特に亀の尾が大きな影響を受けましたが、イネミズゾウムシが悪いのではなく、イネミズゾウムシを呼び込んだ原因を自分がつくったから彼らがやってきたのでしょう。その田んぼがあるエリアは個体数が多かったこともあると思いますが、この虫自体は雑木林などどこにでもいる虫なので、今は少なくても増える可能性は大いにあります。
それならば彼らを敵対視するよりも共存する道を選んだ方が精神的に楽なはず。結局のところ、彼らが働かなくても済むような米作りをすればいいのです。田づくり、苗づくりはもちろんのこと、周りの環境にももっと関わっていけばもっと田んぼのバランスは大きく変わっていくと思います。

 

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無難に苦労なく稲が育った田んぼよりも、苦労した田んぼの方が結果的には多くの学びと恵を与えてくれます。
これが自然と対話することか!などと思いながら米をつくるのは、経営的なスリルはビリビリ感じるけどやっぱり魅力溢れるものなんです。

そして、何よりもその厳しい環境の中で文句一つ言わずに精一杯その生き様を見せてくれた稲はほんと素晴らしい。

 

先日、久しぶりに米子の自然栽培農家仲間である丸瀬家で開催された大地の再生講座に参加させてもらいました。
その時に矢野智徳氏が、植物はどんな環境においても文句一つ言わずその役割を健気に果たしている。風を和らげ、大地に空気を送り、地上と地下を繋げている。慈悲深いとも思える植物のように人として自分は生きていけるのか。植物から学ぶことは多い。

そのようなことを言われていました。
自分が管理している田んぼのこと、稲のことを頭に浮かべながら聞いていて、ほんとにそうだなぁと思いました。
自然栽培で農作物を育てているのは、食べたいものをつくるためでもあるのだけど、植物を通して自然のことをもっと知りたいし、もっと自然と会話してたくさん学びたいし、それを持ってしぜんと楽に生きたいからなんだということを再認識させてもらいました。

話はちょっとそれましたが、いよいよ今年の収穫が始まります。
健気に育った稲はどんなお米になったのか。
少しでも多くの方に食べてもらえるよう多くの実りがあったらと願うばかりです。

お米の販売の告知を今しばらくお待ちください。

 

○年間購入米のお問い合わせについて
現在去年までご登録いただいていたお客様の先行予約を受付中です。
10月以降空きが出ましたら一般の方向けにもご案内させていただきます。
今暫くお待ちください。

 

 

高谷裕治

 

 

 




7月26日(SAT) NAPRONさんに出店します!
2021年の苗作り
2014年、ありがとうございました。
連載「出張くど」1 。堀仁憲さんの器。