空気の脈と水の脈 その3
「どうして自然地形は柔らかいのに、人がつくった地形は耕しても耕しても時間が経つと固くなってしまうのか。
その差は土の中の空気と水の流れにあって、今まであまり吟味されてこなかったのです。」
矢野智徳さんの前回の講演から早一ヶ月。
今回は滋賀県で、矢野さんと一緒に作業をしながら2日間の講習に参加してきました。
自然から学び、自然の摂理に則って作物をつくる。
今まで自分なりに自然と向き合い、問いかけをしてきたけれど、すればするほど遠くて掴みどころのないような存在にもなり、、、
そんな時に聞こえてきた矢野さんの言葉はまさに自分の中で絡まっていた糸をほどいてくれるものでした。
自然地形はそれこそしぜんと生まれるもの。
自然の中で絶え間なく続く水や空気の流れによって山や谷の地形も、川の流れや深さも自ずと生じてくる。
しかし、人間の都合によって変えられた地形はその水や空気の流れを澱ませてしまう。
大地の上で息づく生命体にもその影響は大きく作用し、いうまでもなく農業にもそれはあてはまる。
人工的な地形である田んぼや畑。たとえ流れは澱んでいても再び流れを生み出すことはできる。
土は単体でそこにあるのではなく有機的につながっているので、自ずとやることも決まってくる。
コンクリートなどでその流れが滞ったりしても、諦めずにできることをし続ければ大地の呼吸は再生する。
抽象的で感覚的。
理屈はわからないけれど感覚的には腑に落ちる。
シンプルだけど、だからこそ奥深い。
まだ聞いただけで実践していないのでうまく言葉にできませんが、次の自分の投稿からはもう少し学んだことを具体的に書こうと思います。
高谷裕治