今この時を生きていこう

2020.3.10

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昨日、ひっさしぶりにくどを開きました!啓蟄の定食。

 

啓蟄とは「冬ごもりをしていた虫たちが土の中から出てくる頃」というそうですが、最近は暖冬ということもあってか虫が飛んでいるのを良く見ます。畑の方も見た目はあまり変化が無いけれど、収穫して食べてみると2週間前とはまったく違う食感。こんなに違ったら美味しく食べる方法も違ってくるなーとしみじみ思った昨日の朝でした。

 

人参と玉ねぎのかき揚げ(衣に使っているのはもちろん蒜山耕藝小麦。衣も美味しいし、天ぷらの揚げ方かなり上達していませんか?)
大根の醤油漬け(大根を切ってケのしょうゆに数時間漬けだだけ)
自家製切り干し大根と干しエビの卵焼き(ちょっと台湾テイスト)
3種類のケールと紫キャベツのサラダ
鳴門金時の焼き芋(そのまんま)
朝穫れキャベツのオイル蒸し
白菜とキクラゲとフェンネルのサラダ(こちらもちょっぴり台湾テイスト)
にが旨ザーサイのジリジリ焼き
ジャガイモと大根の煮物(芽が出てきたくらいのしなしなになったジャガイモがほんとに美味しい!)
大豆の醤油炒め(こちらももちろんケのしょうゆ)
白米ごはん(やっと味が開いてきた亀の尾。長く響く余韻が愛おしい)
白菜と大根の味噌汁(出汁は無し。味噌はもちろん蒜山みそ)

 

自分は畝を作って種を蒔いただけで切の肥料も農薬も無く、言わばこの土地の自然が育んでくれたとしか言えない作物。
くどをオープンすると、この土地や作物たちの実体のある豊かさということのありがたさを痛感します。

 

今、世界ではコロナウイルスに大きな変化が生まれています。
自分の中では東日本大震災を除いて、こんなに大きな社会変動を感じたことはありません。
僕には現代の社会の仕組みや構造はしっかりとわからないし、これから地球や社会がどうなっていくかもわかりません。

 

でも大幅な株価や為替などいった目に見えず手に触れることができない実体性の感じにくものに依存することの危険性を改めて感んじています。

 

社会が混沌として、実体の無いものがまさしく虚無となった時に残るもの。
その一つは啓蟄の定食のような食べ物にあると僕は思っています。
そう思うとその食べ物を育んでくれる自然にさらなる感謝を持たざるを得ません。

 

今こそ身の回りにある、足元にあるものに目を向けられる社会となることを願って、今この時を生きていこうと思います。

 

 

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高谷裕治

 

 

 

 




『収穫祭』を終えて
本質というものに近づきたい
今日の田んぼと今日の畑
蒜山のがま細工を通して