今年の夏野菜。残念なお知らせです。

2020年8月13日IMG_3270

 

毎年たくさんの方に喜んでもらっている蒜山耕藝のトウモロコシ。
珍しく自画自賛してしまうほどうちのトウモロコシは美味しい。
でも今年は悲しいことに販売できるものは一本も無さそうです。

 

もともと生育が良くなく、収穫できたとしてもかなり小さなサイズになってしまうことは覚悟していました。
しかし、実際は全滅と言えるほどの結果でした。
なんとか食べることができそうなものも、カラス小動物にことごとく食べらてしまいました。
9年間毎年つくっていますがこんなことは初めてです。

鳥獣害は毎年少なからずあるのですが、数本で収まっていました。こんなに端から食べられるなんて。。

 

さらに、加熱用トマトのなつのこまも壊滅的です。
こちらは苗を定植してからほとんど大きくなりませんでした。こちらも初めてのことです。
他にも春に蒔いたゴボウは芽が出たら程なく全て消えてしまいました。

 

じゃがいもや空芯菜、ミニトマト、茄子、ささげ、ピーマンなど元気に育っている作物もあるのですが、ここまでの惨状は経験ありません。

 

長引いた梅雨のせい?

 

もちろん天候の影響も少なからずあるかもしれませんが僕のポリシーとして天気を理由にはしないようにしています。
天気のせいにしてしまうことで思考停止になりたくないのと、土の状態や自分が種を蒔いたり、苗を定植するまでの作業の中にこそ大きな要因があると思うからです。

 

今回すぐに思い浮かんだのは土の状態です。
あたたかくて、やわらかくて、水持ち水はけの良い土になっているのか?
この畑の過去の歴史はどうだったか?

 

まず土の状態。
一見すると柔らかく見えるのですが、大雨が降った時の水の浸み込み方やその時の表層を見るとまだ団粒化は十分とは言えません。研修していた師匠の畑の土とは比べものになりません。

 

畑の歴史。
30年くらい前までは田んぼでした。その後ずっと耕作放棄となり、10年前に開墾されたようです。
それからは一切肥料と農薬は使用されていない土地でした。
長年耕作放棄とされていたため土のエネルギーはかなりのものでした。しばらくは草の勢いが凄まじく荒地に生えそうな強い草が油断すると繁茂するほどでした。
しかし、うまく草を抑えることができるとそのエネルギーを作物の方に向けることができ、どんな野菜もしっかり育ってくれました。

 

ただし、それは過去に蓄積していた養分的なもので育っていたのだと思います。
去年でそのストックが切れてしまった、というイメージです。
ゼロ地点に立っといういう感じ。

 

今年の結果は辛いけど、もしゼロ地点に立ったならばそれはちょっと嬉しいことです。
だってこれからが自然栽培の本領発揮となるのです。
2,3年で土が良くなるものではありませんが、今までよりももっと元気で美しくて美味しい野菜を食べられると思うとワクワクするじゃないですか。

 

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研修時代に土が良くなると楽になるんだと教えられていました。
実際研修させていただいた畑はそれが現実になっていました。

 

僕が自然栽培の世界に入ってたのは楽になりたいからでした。

今はまだその理想からはるか遠いところにいます。

 

 

作付けや管理の工夫でどうにかなりそうなものでもないので、初心を思い出し、改めてしっかり土作りをしていこうと思っています。
教えてくれた作物たちに感謝。

 

 

追伸
無事に収穫できたじゃがいもはオンラインストアで販売を始めました。

 

 

 

 

高谷裕治

 

 

 

 

 

 

 

 




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