大地の再生講座@蒜山 report 1

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ついに3回に渡って行われた矢野智徳さんによる大地の再生講座@蒜山が終わりました。

3月に開催された1回目は農地の見立て、
6月に開催された2回目は農地とくどの環境改善、
3回目の今回は山とくどを繋げる植栽でした。

今回の内容はは2回目の講座直後に思いつきました。
山から木を頂き、くどに植栽をすることで水脈のことだけでなく、山のことなどたくさんのことが一気に、立体的に学ぶことができるのではないかと思ったのです。

もし実現できたらすごいことになりそうだとは思いながらもスケジュールの調整がうまくいかず、一度は開催を諦めました。
その後急遽日程が決まった後も雪の心配やスケジュール的なこともあってちゃんと講座を開催できるのかずっと不安でした。

しかし、9日は雪や大雨に降られることもなく、水脈整備と山に入っての木の掘り取りと、数本の植栽まですることができました。
嵐のような日々の中、この講座を実現できたというありがたさを今はただしみじみと感じています。

まだまだ頭の中も心も整理できていないのでちゃんとした報告は後日にしたいと思いますが、田畑でも、住環境でも、山に入っても、どこにいっても水脈が大切だということを今までよりもずっとずっと重く受け取りました。

山に入って滞っているところがあれば水脈を掘り、木を頂く時も手を入れる必要なところから選び、木を掘った後も頂いた以上の処置をしてお返しをする。
山の中で作業をする矢野さんの背中からは、「この場を傷めず、穢さず、大事に使わせてください」という思いが痛いほど伝わってきました。

 

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くどの敷地の環境はかなり厳しい状態です。
山の恵まれた環境から自分たち人の都合で厳しい環境に木々を移しました。
水脈はつくったといっても土とは言えないようなほとんど砕石と言ってもいいようなところにも植えてあります。

今のくどはたった2日間で行ったとは信じてもらえないような光景が広がっていますが、いのちを頂いてきたという責任はこれから果たさなくてはなりません。
ハードな環境に移った木々が春に芽吹きを見せてくれるのだろうか、とても心配です。
今回も大変お世話になった米子の前田造園の前田さんが話していたように、木はインテリアやオブジェのような存在ではありません。

山から分けて頂いた大切ないのちであり、これから共に生きていく存在です。
木から与えられるだけでなく、木のためにもできることをする。
そんな「お互い様」という関係を続けていくことの大切さを、山に入って移植するという作業を通して実感しました。

 

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1日だけ参加予定だった造園家の方は「山に入って掘った責任がある」と言って2日目も参加して、最後まで植えてくださいました。
前述の前田さんは2日間だけでなく翌日も来て、同じように「掘った責任がある」といって植えた木の状態の確認と仕上げを丁寧にしてくださいました。
その他の参加者の方も、杜の園芸スタッフもみなさんに本当に丁寧に作業をしてくださり、奇跡のような光景が生まれました。

無事に春の芽吹きが見れらえるようにできることをしてまずは今の自分に与えられた責任を果たしたいと思います。
つづく。

 

 

高谷裕治

 

 

 

 

 

 

 

 




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田植えとジャックさんの思い出。
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