旧中和村の暮らし。
慌ただしい時間を過ごす中、突然エアポケットに入ったように「抜け」を感じる瞬間がたまにあります。
森の中の林道をのんびり軽トラで走っている時や、山奥の田んぼで風や鳥の声に囲まれながら作業に没頭している時、
突然その不思議な感覚が訪れるのです。
ほんの数年前までは都会で暮らしていた自分が、縁もゆかりも無かったここ蒜山の旧中和村という美しい里山で暮らしていることに現実感が薄くなる。
蒜山を選んだ理由はいろいろあって、
直接的なきっかけは震災と原発事故だったこと
水が良いところを探していたこと
千葉での研修は畑作だったのでそれなりの規模の畑作地を探していたこと
当時、パン屋タルマーリーも真庭市の勝山にいたこと
(現在は鳥取県智頭町に移転)
というのが主なもの。
でも今暮らしている旧中和村は自分で選んだというよりは、ご縁を頂いて移ってきた。
移住に対しての重要なキーワードだったそれなりの規模の畑作地ではなく、
いわゆる田んぼと山ばかりの中山間地という不安はあったけど、与えられた状況の中で生きていく生き方をしてみたくて。
ここに来たのってそんな感じだったな〜と思い出します。
旧中和村エリアに移って4年1ヶ月が経ちました。
今ではすっかり、
あそこのお店のあれが美味しいというような感覚で、
どこの湧き水はこんな味で誰の家の井戸の水はこんな水だよ、なんて話もしたり。
もちろん山菜やキノコの場合も。
非日常と日常が混在する不思議な感覚。
なんだかこの記事自体が抜けたものになったけど、くどから見る夕陽を見たたら無性に書きたくなったのでした。
4回目のお米の収穫もいよいよ直前になってきました。
なんとか今月20日までには熟れてほしいと焦れる毎日。
緊張が背中に溜まってガチガチです!!
最後に、今年も蒜山耕藝小麦をついに製粉しました。
間もなく蒜山耕藝うどんもできあがってくる予定です。
そして、そして、ちょっとだけ取っておいた挽きたて小麦粉。
オカズデザインのヒデさんに教えてもらってピタパンをつくりました!
ピタパンに摘み菜のサラダ、チーズ、サラミ、白ハタの唐揚げ、カボチャ、大豆などなどお好きなおかずを挟んで。
これも旧中和村の暮らしの醍醐味です。
高谷裕治