自然栽培での白菜つくり

冷たい雨が降り注ぐ晩秋の蒜山です。

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例年に無く暖かい11月が終わろうとしています。

気温の高い日が続き、秋冬野菜はぐんぐん大きくなっています。

葉野菜の中には、11月上旬に霜に当たってから、その後の高温で春と勘違いした株もいて春のように”とう立ち”してしまったものもいます。

その一方で、虫たちもいなくなっている時期のはずですが、今年は彼らも、まだ、盛んに活動しています。

自然栽培では、虫にたべられることもなく、病気になることもない。とは、よく言われることですが、それは野菜が健全に育つ環境を
つくりだすことができている場合で、そんな環境にできている生産者の方が少ないことも事実です。

我々の畑も、そんな環境になっている畑は、今のところ、ほとんどありません。
この白菜は、私たちの畑のものです。

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農薬もつかわず、防虫ネットなどの資材も使わない場合は、このように、虫さんにレース状にされてしまいます。常識といえば常識ですね。
私たちの畑でも、白菜の1/3はこのような姿にされてしまっています。

 

 

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こちらの白菜は虫に食べられる以前の問題で、そもそも育っていません。こういったものも1/3くらいあります。

この畑は、化学肥料も、有機肥料も3年以上使っていませんので、育たないのも、これも常識といえば常識です。

 

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しかしながら、同じ畑でも、のこりの1/3は、葉の1枚も虫に食べられることもなく、ギュッと締まった、立派な白菜に育ってくれています。収穫すると1株3㎏以上はあります。

うえの画像全ての白菜が、おなじ畑、種、同じ日に私が直播きしたものです。

となりの株は虫だらけで、その隣は、全く食べられていない。私には、虫に食べられてしまうのは、気候のせいだけとは思えません。
立派に生長しているのも、その株の周りだけ肥料が残っていたとも思えません。

虫に食べられてしまったり、育たないのは、それにはそれなりの理由があって、その理由を取り除くことができれば、無肥料でも、無農薬でも、立派な白菜がとれるようになるんじゃないかって思わずにはいられないのです。

うまくいかない理由をつかむのは容易ではありません。なにかの本を読めば載っていることでもありませんし、誰かのブログに書かれているものでもありません。
その理由は、その畑にあって、それをつかむのは、耕作者である自分が見つけるしかありません。

肥料分が過剰に残ってしまっているのか?土が踏み固められて根っこが呼吸できなくなっているのか?

などなど、想像できる要因はたくさんあります。

ひとつひとつ、丁寧に観察して、心当たりのある原因を地道に解消していくしかないと思っています。

肥料も農薬も使わず、畑いっぱいの作物が育っているさまは本当に、美しく、神々しくもあります。

私たちはそれを千葉の師匠の畑で目撃しています。

難易度が高いと言われている自然栽培の白菜です。全滅することも珍しくありません。

1/3でも、立派に育ってくれて本当にありがたいです。少しづつその割合を高くしていけたらと思います。

この白菜たちは、雪の前に全て取り込んで、雪に閉ざされる冬の間に頂く漬物にします。

先日のいぶりがっこと同様、「くど」のメニューの一品でお出しする予定です。

地味な漬物ですが、心身に浸みる漬物になってくれると思います。

桑原広樹




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2018年 今年の蒜山◯餅・続々と