野菜の作付け。

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今朝は春の雨。
この時期は雨が降るごとに作物や木々がぐんと動くのを感じます。
緑の方たちが雨を喜ぶエネルギーに満ちる世界。

 

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ハウスでの仕事もはじまりました。
夏野菜の苗つくりやじゃがいもの種芋準備を。

実は今年はさらに野菜作りを縮小することに決めました。
去年から二人体制で動いている私たち蒜山耕藝。
田畑の仕事と「くど」の運営。そして自分たちの暮らし。
そのバランスをどうとっていくのかが一番の課題でした。

この土地で「農」をなりわいにすること。
自分たちの暮らしを大切にすること。
このふたつが矛盾ではなく調和するように生きていきたい。
そう、今までは(今もまだ)調和しているとは言い難い状況です。

 

今こうしてこの土地で暮らしていけることには、毎日ふとした瞬間に感謝がこぼれます。
それでも必死に走り続けてきた5年間で、あまりにも自分たちの体や暮らしをないがしろにしてきてしまったなぁと反省もあるのです。
どうしても楽しいことや嬉しいこと、幸せなことを表現することの方が多くなってしまうのですが、実際は休みなく家も散らかったまま焦る気持ちで働いてきた毎日でした。
このままではまずいなぁと思いながら、目の前の仕事を必死にこなす。エンドレス。
そろそろちゃんと体制を立て直さないといけないと去年一年間はずっと考えながら働いていました。
そのひとつの答えとして野菜の栽培をぐっと減らそうと決意しました。

 

お米などの穀類は収穫してからお客様の手に渡るまで、ある程度時間がかかっても問題ありませんが、野菜はそうはいきません。
収穫したらなるべく早く販売しなければ収入に結びつかないのです。
ふたりで農作業とくどの運営を行う中で、こまめに販売&発送業務をこなすというのが本当に難しいことで。
収穫からの時間を考えると、たった数件の発送でも半日以上かかってしまうことも多々あります。
この土地の美味しい野菜をひとりでも多くの方に食べてもらいたい。
その気持ちをなかなか手放すことができず、でも結果として自分で自分の首をしめてしまっていることにじわじわと気がついてきました。
まずは持続可能であること。それを一番に考えないと。

 

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「くど」をはじめた当初はここを野菜販売の主軸にできたらと考えていました。
今のかたちのようなカフェや食堂の機能はあまり考えておらず、直売所のようなイメージだったのです。
ところがそれは検討違いの考えだったことがわかるのです。
ここ岡山、鳥取は新鮮で美味しい野菜が暮らしのすぐ近くにある土地。
わざわざ「くど」で野菜を求めてくださるのは都市部にお住まいの方たちで、多くの方はお家に帰ると新鮮な野菜が待ってくれています。

でもそれって本当に豊かで幸せなことだと思うんです。

私たちができることは「くど」で野菜を売ることではないんだなと感じました。
ここでは私たちがつくった作物を味わっていただいて、この土地の力や自然栽培の作物の美味しさを感じてもらおう。
そんな風に自然と方向転換していました。

 

遠く都市部にお住まいの方へ野菜を届けることが求められていると感じつつも、自分たちのキャパシティの問題で一旦縮小という選択を取ろうと思います。
そうは言っても自家用・くど用プラスアルファで今後も作付けは続けていきます。
オカズデザインさんに東京のアトリエ「カモシカ」でのお料理に使っていただいたり、viorto!さんのお料理教室で使っていただいたり、夜長茶廊さんやエスキーナさん、飲食店さんでお料理していただくこともあります。
もっとたくさん収穫できたら、突然このWEBサイトで「販売します!」なんて今まで通りに告知させていただくこともあるかもしれません。

さてさて、長々と文章を書いていたら雨も止みました。
こんなご報告をした後ですが、せっせと野菜苗の準備にとりかかりたいと思います。

 

 

高谷絵里香

 

 

●G.Wの「くど」営業について
5月3日(水)〜5日(金)は通常営業、7日(日)8日(月)はオカズデザインさんが出店してくださいます。
どちらの期間中もお食事は限定数のみとなるため、事前のご予約(お取り置き)を承ります。
お席のご予約は承っておらず、あくまでもお食事のお取り置きとなります。
お電話にてお気軽にお問い合わせください。(☎︎0867-45-7145 日中は田畑の作業で通じない時間も多いです。大変申し訳ありませんが、ご了承ください。)

 

●蒜山耕藝の自然栽培米、再販中です! → 

 

 

 

 




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