立夏も過ぎて

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僕の投稿としてはずいぶん久しぶりになってしまいました。

毎年のことながら春先の農作業は怒涛のように押し寄せてきます。単純作業ではなく、何よりも段取りがものを言う時期なので身体よりも神経を使う時期です。そして、段取りを立てることは僕の最も苦手とすることなのでやるべきタスクが溜まっていくのです。
早起きをして少しでも時間を稼ごうとするものの、4月などは手が痺れるほど寒いので早起きだけして陽が当たるまで作業をしないという始末。そんな時もあります。

 

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さて、4月5月といろんなことがありました。
農作業としては米作りがスタートしています。籾の準備をして、籾蒔き、そして苗代での苗づくり。結論から言うと今年は最高にやらかしてしまいました。米の作付けが昨年の半分近くになり、苗箱の数も減ったのでいつもよりも手数をかけました。結果的にはそれが悪かったのかな?これについてはまた他の記事としてアップしようと思います。
とにかく、今年は予定作付け数にどれだけ近く植えられるか。まだわからないので田んぼに水も入れておらず、昨日まで続いていた好天を活かそうと何度も田んぼを反転させています。

大豆の播種もいよいよ近づいてきました。例年の反省点として、播種の段階で畑に前作の残渣や草の残渣が多すぎるということがありました。残渣があると播種機に不具合をもたらしたり、目印となる線が見えにくくなったり、生育にも影響があると思います。今年は例年よりも多少は前もって準備ができていると思います。気になるのは石の多い圃場。石に作業機が当たると激しくバウンドして大豆の種を大量に畑にばらまくことになるのです。畑でばら撒きされた大豆を拾ったことがありますか?僕は何度もあるし、もう2度とゴメンです。

 

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麦は生育は良いけど、小麦を育てているのかライ麦を育てているのかわからないほど混ざっています。これはもうどうにかしないと。。収穫の時にコンバインを壊さないようにしないといけません。

そして野菜。こちらは遅れているのもあれば例年通りのものもあります。
まずはジャガイモ。こちらはなかなか順調です。
トウモロコシは昨年よりもちょっと多めに蒔いています。蒜山耕藝の夏の嗜好品と言えばスイートコーンと即答します。毎年楽しみにしてくださっている方、今年もたくさん蒔きました!乞うご期待!

なつのこま。トウモロコシとツートップを形成する蒜山耕藝の人気野菜の一つです。
今年はいろんな事情から苗を作らず、ほとんど直播となりました。そのためいつもよりも収穫時期が遅くなるかと思います。ここ数日の大風でなつのこまの畝のマルチが剥がれてしまいました。きっと例年通り苗を定植していたら全滅レベルの被害となっていたでしょう。両脇に風除けの意味も含めて育てていた麦も今年の風には無力でした。

 

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他の野菜も順次植えています。からし菜、ルッコラなどの葉野菜はくどの食事でも使えるようになってきましたが、他の野菜はまだ播種したばかりなので一番早いズッキーニの収穫がいつ始まるか。まだ芽を出したばかりのズッキーニを見てちょっと焦ったりしています。

 

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そして、くどです。
今年はGW頑張りましたー!!
AMECOYAが打つ蒜山耕藝ソバを求めて本当にたくさんの人が来てくれました。実を言うと、今回僕らは一回も蕎麦を食べることができませんでした。それほど完全なソールドアウト。あれ以来何人の人に次はいつかと聞かれたことか。安心してください。また必ず開催するし、今年もソバを栽培します!!

 

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通常営業の方もお陰様でお客様の少なくなる4月5月にも関わらず多くの方に来て頂けました。定食も菜花がある時期までは何とかつくれましたが、菜花が無くなってからはカレー期間に突入です。去年水煮にしたなつのこまをベースに、大豆や貯蔵野菜をなるべく使って少しでもこの土地を感じられるカレーを目指しています。

以前の記事「開こう。」でも絵里香さんが書いたように今年はいろんな方が訪ねてきてくれています。農繁期真っ只中でちゃんとしたおもてなしができないどころか、みんな農作業を手伝ってくれるだけでなく夕食まで作ってくれて、しかもお酒の差し入れまで。。。嬉しすぎてついつい飲み過ぎてしまいます。でもただ飲み食いしてるのではなく、料理のこと、酒造りのこと、生き方のこと、たくさん刺激をもらって日々の暮らしにちゃんと活かしています。(なんか言い訳がましい?)

 

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今日の最後に紹介したいのはエドです。ロンドンから日本に来ている28歳のナイスガイ。
彼はひょんなことから蒜山耕藝を訪れてくれました。4月に3日間だけ滞在し、先週から6月中旬まで滞在しています。
とても気配りができて、よく働いて、日本語が上手で、ビールとナチュラルワインが好きな食いしん坊です。毎食一緒に食卓を囲んで夜はお酒を飲みながら語らっています。
彼を頼りにして作付けを増やすことはせず、彼がいるおかげで余裕ができた時間は日本やこのあたりの文化を感じてもらうために使っています。(写真は先日行ったタルマーリーにて!)
それはエドだけのためだけではなく、最終的に僕ら自身のためにもなっているのです。農業は暮らしや文化と深く結びついていると思っていますが、今まではそんな時間もゆとりもありませんでした。
アルザスに行って一番思ったのは暮らしを楽しむことです。物理的に遠い距離に行くことで初めてゆっくりできたという実感がありました。でも農作業が始まってからはなかなかそれができません。でも今年は作付けが減ったことと、エドが来てくれていることでやっと顔を上げて景色や文化を覗けるようになってきました。

エド、ほんとうにありがとう。

エドのこと、やらかしてしまった育苗のこと、くどのこと、草刈りのこと、などなど書きたいことはたくさん。
今度こそマメに書こうと思います。

 

 

高谷裕治

 

 

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