くどの休業、その他についてご報告

2020年4月1日

DSC02686

 

当面の間、くどの営業をお休みします。

前向きでも後ろ向きでも無く、
ただ「今を生きる」ということを突き詰めて考えた結果、今は農作業を優先しようという結論に到りました。

もちろん新型コロナウイルスが社会に与えている影響によるものです。
今現在、コロナウイルスがどの程度蔓延しているかは全くわかりません。
海外諸国においてはロックダウンなどの強力な処置が取られているにも関わらず、感染者数や死者数が日に日に増えています。海外の友人から生の声を聞いても想像以上に過酷な状況になっているようです。

 

日本においても今日の時点では残念ながら感染は拡大しているようです。
その脅威と拡大のスピードはどれほどのものなのか。
このまま拡大していってしまうのか、日本においては収束方向へと向かうのか。
残念ながらそれを自分で判断できる材料となる情報は十分とは言えません。
安倍首相や小池都知事の会見を見ても、具体的な情報や対応についての情報は乏しく、むしろこれによって社会はさらに混乱すると思わざるを得ません。
敢えて個人的な思いを言うならば、現政権は全く信用ならない!ということです。

 

DSC02606

 

とはいえ国の対応はおいておいても、不透明な時だからこそ自分の課題は何なのかということに向き合おうと思いました。
自分の課題と向き合い、今自分がするべきことは何かを考える。
今を生きることと向き合った結果、私たち蒜山耕藝は以下の結論に至りました。

 

●くどの一時休業

●田畑と周辺環境への時間の拡充

●農産物や加工品の販売

●暮らしの見直しと実践

 

DSC02929

 

●くどの一時休業

蒜山耕藝は「農産物の生産・販売」「加工品の製造・販売」「くどの営業」の三つの柱で成り立ってきました。
今回はその中でも売り上げの大きな割合を占めていた「くどの営業」を休止します。
言うまでもなく経営的には大きな痛手です。まだ大きな支払いも残っているし、農業生産に欠かせない設備投資の計画も今は諦めざるを得ません。もちろん諸々の固定費の支払いもあるので厳しい状況です。

山陰地方はコロナ感染者が出ていない県があり、通常よりも多くの方がこちらに訪れています。
おかげさまでくどにも多くの方にお越し頂き、例年のこの時期よりも売り上げは上がっていました。
きっとこんな時だからくどに行きたいと思ってくださる方も多く、その期待に応えたいという思いもあるので悔しい気持ちも感じています。

 

●田畑と周辺環境への時間の拡充

でも私たちには食糧生産という役目があります。
不安定な私たちの感情とは逆に、決して慌てることのない自然の中で自分たちが今できることはいくらでも残っています。
農作業の時間を増やすことによって作付けを増やすということにはなりませんが、より丁寧に作業にあたることによって一農業者としての力量を上げていきたいと思います。
これは今までやりきれていなかった必要な投資だとも言えます。

また主に田畑周辺の環境改善もやっていきます。
非常時ほど自然の有り難みを感じます。
田畑を通して食べ物をつくれるのも自然があってこそです。
先人たちが守ってくれた自然と培ってくれた里山環境を維持していくことは最低限の礼儀であるし、それを通して私が学ぶべきことはまだまだあります。

 

●農産物・加工品の販売

こちらに関してはオンラインショップで引き続き販売していきます。
実はお米について大きなお知らせがあります。
自分たちの倉庫を持っていないため、お米はいつもお世話なっている農家さんの倉庫に保管させてもらっているのですが、在庫としてカウントできていなかった2019年産のお米が大量に出てきました。
在庫管理上の大きなミスなのですが、このタイミングに分かるというのも何かの意味があるのかと思っています。
亀の尾、ササニシキだけでなく、他の古い品種についてもアップしていく予定です。
米、味噌、醤油は蒜山耕藝にとっての三種の神器とも言えるもの。
他の加工品と共にぜひこの機会にお味見いただけるとありがたいです。

 

●暮らしの見直しと実践

9年前の311の時と同様に自分の中にある価値観を見直す機会だと捉えています。
家族との向き合い方、地域や友人仲間との関わり方、時間の使い方などより充実していきたいと思っています。
自分たちの住まいについてもくどを作った時と同様にお金は無くてもできることはある!という精神で、もう一度土壁の世界を楽しんでみようと思います。

9年前と今では状況は異なりますが、自分の中で本質的な捉え方としては大きな違いはありません。
9年前は貯金もほとんど無いながら見知らぬ土地でのスタートとなりました。
たくさんの方のサポートのおかげで、今まで知らなかった新しい世界を見ることができ、こちらに来て本当に良かったと思えています。

 

立ち止まること。
考え直すこと。
変わること。

 

自分の人生においてこの3つは多くの場合良い結果をもたらしてくれています。
変わらない強い意志と変わる勇気を持って、今回決断が良い結果となるように今この瞬間を生きていこうと思います。

 

しばらくの間、くどではお会いできなくなるかもしれませんが、農産物や加工品を通して皆様との繋がりを続けて頂けたら嬉しく思います。

 

 

高谷裕治・絵里香

 

 

 

 




自然栽培勉強会を終えて
二月のカモシカ、その記憶。
2018年冬のお知らせ、あれこれ。
体調を崩していました。