もち米の変化

2020年12月3日

 

 

今シーズン最初の蒜山◯餅にたくさんのご注文を頂き誠にありがとうございます!
おかげさまで1周目の販売分は完売しました。

 

先日の投稿でも書いたように今年のお餅は今までと一味違います。
いや、正確に言うなら農産物なので毎年同じ味になることはありえないので二味違うというのが正しいです。
特に今年の白餅は特別に美味しくないですか?個人的な印象を言うと、餅が舌に触れた瞬間に脳の幸福センサーがビビッと反応するようなヤバイ舌触りです。

 

去年までは明確な変化を感じるには至らない程度の違いだったのでしょう。
でも一体何が違うのか?

 

 

今日ももちもち村の方と話してきたのですが、今年の蒜山耕藝の糯米は餅搗きをしていても艶が良く、とても滑らかで今までと全然違うとおっしゃっていました。
「つくる田んぼを変えたからじゃない?」と言われましたが過去何度も作付けする圃場は変えているので原因としては考えにくい。気候のせいにするのも無理があります。

 

 

そうなると考えれらるのは「種」か?
(そうそう!熱量高く、全国で展開されるイベント『種と旅と』に参加します。詳細はまた後ほど)
蒜山耕藝ではヒメノモチの種は毎年自家採種しています。2年目に種を買い足したことはあるけれど基本的に9年間自家採種を続けています。
一般的には自家採種を続けると品種の特性がバラけてしまうので種籾は毎年もしくは2、3年で更新するのが基本です。そうしなければ「ヒメノモチ」としての特性を満たした糯米にならない可能性があるからです。品質がばらついたヒメノモチは一般市場においては、売る方も買う方も喜ばしくありません。

 

稲は自家受粉するものですが、異種との交雑はするし、自家採種を繰り返していくことでばらつきが出てくるのは自然なことです。蒜山耕藝の自家採種しているヒメノモチはきっと元の種よりも遺伝子的な幅は広くなっているはずです。今年になってその変化が顕著になって現れたのではないか、と思っています。

 

今回の変化については美味しくなったので良かったと思うのですが、自分の意図としてこの方向性に持っていった訳ではありません。
もしこれが粘りやモチモチ感が薄くなるような方向に向かっていったらお餅としての美味しさは落ちるかもしれません。

 

そうなったら最後。もう元には戻れません。
種籾を購入するしかありません。種子法が廃止される前は原種や原原種の栽培し保存する予算が国から出ていましたが今は意欲のある県が予算を出している状態です。
個人として品種の特性を守っていくことは必要だと思いますがそれにも限界があります。今はまだ購入できる種籾も多いですが、社会が大きく変化している中でどうなるかわかりません。購入どころか自家採種自体も限定されるような空気さえあります。

 

いろいろと考えることは多いけれど、とにかく今は多くの人が待ってくれている蒜山◯餅にこんな思いをちょっとだけ乗せて仕込むことに全力を尽くします!

 

今回販売分は売り切れましたが、今年は毎週火曜日にお餅を仕込んでいます。
売り切れたとしても次の週には販売を再開しますのでご安心ください。
次回の販売は12/10 頃を予定しています。オンラインストアにてご確認ください。
(最後の販売は12/23頃を予定しています)

 

 

蒜山◯餅以外にも、お味噌、素米、もなかの皮、黄粉も同梱できますのでこちらもどうぞよろしくお願いします!

 

 

 

高谷裕治

 

 

 

 

 

 




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