二月のカモシカ　安齋新・厚子 / 蒜山耕藝二人展「翠」

オカズデザインのお二人と囲むいつかのくどでの夕ごはん。
東京とここ蒜山・中和の二拠点で活躍されているオカズさんは、私たちにとってもう家族のような存在です。
蒜山・中和で幾度となく春夏秋冬を共に過ごし、食卓を囲み、思いを聞いたり話したり、かけがえのない時間を過ごしてきました。
そしてこれからも。

夕ごはん一緒に食べようかという日は、本当に今ここにあるものでとびきりの食卓が生まれます。
それは一般的な贅沢さとは全く別のベクトルです。
雪に埋もれ凍みて破れた葉物だったり、B品の小さな小さなじゃがいもだったり、近所のおじちゃんが釣果を分けてくれた小さな鯵だったり、オカズさんが山から採って来てくれた茸だったり、友人に分けてもらった手作りの美味しいパンが登場したり。

今ここにある素材を生かして、しみじみと美味しい食卓が作り上げられます。

それはもちろんこの土地だからこその恵でもあるのですが、きっと都会でも田舎でも今でも昔でも生かすことのできる本質的な営みでもあると思うのです。
オカズさんの料理を食べると、いつもそんな思いが浮かびます。

今年も二月のカモシカに参加することができて本当に幸せです。
写真のキャベツのように雪の下で見た目はぼろぼろだけど、味はとびきり美味しい野菜など持って行きたいなと思っています。
たくさん数はないので販売分としてではなく、夜や昼の料理会の素材として使っていただく予定です。
いつもなら蒜山・中和に来ないと味わっていただけない「何か」を、しっかりとカモシカで味わっていただけるように準備していきたいと思います。

そして透き通るような美しさが記憶に残る安齋新さん・厚子さんの器とどのような邂逅となるのか。
本当に楽しみです。