いぶりがっこ

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アルザスから帰って約2週間。まだまだ余韻に浸りたい気持ちもあるものの、田畑はもちろん、家やお店周りの必要な整備が山ほどあって慌ただしい日々が続いています。

さて、冬の間ずっと完成を楽しみにしていたものがありました。
気になっていた方も多いと思いますが、「いぶりがっこ」です。

つい先ほど、製造をお願いしていた一般社団法人アシタカの赤木さんが持ってきてくれました。そして食べました。いぶりがっこ特有のスモーク臭とコリコリした食感。大根の自然な甘みとちょっと塩っぱいくらいの塩加減が後に引きます。

 

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いやー、ほんとに長かったし、大変だっと思います。
雪が積もる前に畑から大根を収穫して、冷たい水で洗ったら燻し小屋に運びます。
大根にも寄りますが4,5日にかけて大根の下で薪を燃やしてグニャッと曲がる程度になるまで乾かします。1日何度も確認し、薪を補給します。もちろん夜中でも。仕込みは一度で無いので、そんな日が一カ月以上続きます。ほんとに過酷です。(赤木さん、本当にありがとうございます!)

その後、大根の表面についたゴミを手洗いし、糠と塩で漬け込みです。
他の漬け物と同様になるべく早く水が上がって来なければなりません。できる限りの重石をして1日でも早く水が上がってくるようにします。漬け込みの時に糠と塩の他にザラメなども入れると水が上がるのも早くなり味も甘口になるのですが、酒飲みの自分達は辛口の漬け物を欲するのです。

水が上がってから1ヶ月以上経ったらついに出来上がりとなります。
樽から出して大根をまた手洗いします(3度目の洗い!!)。キレイになったら重さを計って、袋に密封したら保存期間を長くするためにパックごと湯煎して完成です。

ほんとに手間がかかります。

蒜山耕藝のいぶりがっこは、出来上がり予定が2月の中旬から下旬にかけてでした。
そして、数日前に衝撃の連絡が。

蒜山耕藝の大根は300本程漬けたのですが、ほとんどの樽がうまくいかなかったとのことでした。
うまく仕上がったのはスムーズに水が上がった一樽のみ。気温が高かったので大きい冷蔵庫に移したり出来ることはすべてやってくれたのですが。。。。
あれだけ頑張ってくれた赤木さんにかける言葉も見つかりませんが、これに懲りなくこの冬もチャレンジできたらと思います。
理由はまだハッキリとわからないのですが、これからも試行錯誤を続けていくのみです。

楽しみにしてくれていたお客様に申し訳無い気持ちでいっぱいです。
ネットショップでも販売する予定ではありましたが、数が少ないためくどでの直売のみとさせて頂きたいと思います。

それでも失敗を恐れて安易な方法を取ることなく、素材や作り方と向き合う物作りをこれからもしていきたいと思います!

 

 

 

高谷裕治

 

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