猪との共同作業

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気づいたらもう10月の後半。
朝晩はストーブが必須なほどに気温が下がり、日もすっかり短くなりました。
今年はあと何日田畑の作業ができるのだろう。そう思う時期になってきました。

 

稲刈りを終えても、秋は作業が立て込む時期。
稲の種籾の調整、麦の播種、夏野菜の片付けなどなど。
10月に入ると雨も多く、気温が低く田畑も乾きにくいため作業ができる日は限られてくるのです。

 

秋の作業の中でも一番気になっていた麦の播種を先日終えることができました。畑の準備、種の状態、播種時期が狙い通りにならなかったのが心残りだったけど、無事蒔き終わって一安心です。

 

一通り終えた後は田んぼの仕事です。
こちらも収穫後にトラクターで起こしたかったのですが、雨が多くなかなか機械で田んぼに入れません。
なので、田んぼが乾いていなくてもできる人の手による田んぼの環境改善作業です。

 

数年前から大地の中の空気と水の流れの視点を考えるようになり、春と秋に田んぼの周りを手掘りしています。
借りた時は水はけが悪かった田んぼで苦労しましたが、田んぼの周りを整備するようになってから水はけは劇的に改善しました。

イメージとしては田んぼを大きなスポンジとして考えます。
水の含んだスポンジを上から手で押したら横から水が出てくるように、田んぼに空からの大気圧がかかった時に田んぼの横や地下に空気と水が抜けるような道。それは一方通行の道ではなく、まるで呼吸のように空気と水が行き来する道。それができるきっかけ作りの作業です。

本来の自然地形にはその毛細血管のような道が大地の中を張り巡らされていると考え、人工地形である田畑においてその機能が低下しているのならばそれを改善することも大切なことだと思っています。

 

というのも僕は米作りの技術や知識がまだまだ足りません。
米作りは1年に1回しかできないのですぐに上達することはありません。
土の進化も同様で一朝一夕に良くなることはありません。

 

それに比べて大地の再生的なアプローチはすぐに結果が現れることもあります。
やればやるほど水と空気が後押ししてくれます。土を掘るのは大変ですが面白い気づきがあったり、自然との一体感があってやりだすと止まらないのです。

 

さて今年も猪がやってくれました。
いつもなら雪が降る直前までは田んぼや畔を荒らさないように電柵を張っているのですが、今年は収穫したその日に撤去しました。猪は大地の滞りがある所を掘ると常日頃思っていたので、あえて猪に掘ってもらおうと思ったのです。

そしたら見事に上の田んぼからの斜面と田んぼが交わるところの畔を中心にゴロゴロと土を起こしてくれました。
以前から溝をは掘り進めていたのですが、なにぶん大変なのでちょっとずつしか溝を広げていませんでした。斜面の大きさに対してどの程度開いた溝かというのは重要だとは思ってはいたのですが。

 

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溝が狭いとすぐに草で埋れてしまうし、そのような溝は底にも泥がすぐに詰まってしまうものなのですが、そういうところを中心に猪が仕事をしてくれたようです。去年までは電柵で猪が入れなかったので掘らなかったのでしょう。
心の中で「ありがとう」と感謝しながら研修生の近藤くんと一緒に土塊を田んぼの中に入れていきました。

 

しかもここで大きな驚きが。

猪が起こしたくれたことで草の根っこと土が簡単に鍬で引き上げられるのです。
それが無かったらまずスコップで切れ目を入れなくてはなりません。それをしなくていいだけで何倍も楽なのです。猪が入っていないところはほんとにキツイ。
畔が太くなりすぎたり、高くなりすぎたところの土は田んぼの低いところに持っていけばいいし、なんだか良いことばかり。
「猪様様です」と思いながら二人で目一杯作業しました。

ある程度土を出してみると、見た目にも風の流れが変わって風景が変わってました。
これがこの田んぼの本来の姿かもと思えるほど。この田んぼに6年関わってやっと手応えを感じることができました。
身体はバキバキになったけどなんとも言えない充実感があります。

 

 

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そして作業を終えてくどに戻ったら絵里香さんが新米のもち米と出来立てのきな粉でおはぎを作っていてくれました。
麦湯とおはぎ。
まさに米と麦と大豆のハーモニー。
こちらも堪りません。

 

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とりあえず応急処置を終えたのでまた折を見て掘りにいきます。
猪先生にやり直しの回答がされてなければいいのですが。

今週は蕎麦の収穫をして、11月に入ったらいよいよ大豆の収穫です。
味噌、醤油、きな粉にお豆腐。いくらあっても足りないほど大活躍の大豆ですが今年の作付け面積は少なめ。
最低でも600キロは確保したいのですがどうなることやら。

 

 

高谷裕治

 

 

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