稲への探求

2020年7月29日

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稲を何種類もつくることは経営から見たらデメリットの方が大きいです。
亀治や金時糯などの一般的に知られていない古い品種は特にです。

 

一般的に流通している誰もが聞いたことあるような品種は好みはあるけれどどれもそれなりに美味しいはず。
しかし、今は作られていない在来種は必ずしも美味しいとは限りません。
というよりも現代人の口には合わないことが多い。
実際に友人の農家仲間もいろんな在来種にトライしているけれど、多くの品種が食味が微妙で翌年は作られなくなります。

 

蒜山耕藝は今年のお米の作付けの1割以上をそういった古い品種に当てています。
ササニシキも亀の尾も需要に対して生産量が追いつかず、もっと必要としてくれる方に食べてほしいと責任を感じながらも古い品種に貴重な田んぼを割り当てるのには理由があるのです。

 

その理由はいくつかはあるけど大きなものとしては

・稲や田んぼから多くを学びたいという欲求
・多様性の確保

と言えます。

 

僕はまだ米作りを初めて9年目の未熟者です。わからないことだらけです。
そもそも自然や田んぼや稲について全貌すらつかめていません。
宇宙の成り立ちや果てがわからないのと同じくらい理解できていません。

 

宇宙の仕組みがわからなくても暮らしにさほど影響は無いいけれど、稲や田んぼについて理解を深めることは重要です。
そのために必要なのは経験でしょう。
自分の中にある探究心や好奇心に従うことで短期的には不利益を被ることはあるけれど、様々な経験を積むことが自分にも他者にも自然にも還元できると信じています。

 

そして多様性について。
気候変動が激しくなっている中でそれに備えていく必要があると考えています。
去年は猛暑、今年は深刻な日照不足。
いつ予測範囲を超えた異常気象となるかわかりません。
稲も品種によって得手不得手があります。
田んぼの土との兼ね合いもあって一概には言えませんが今年はササニシキがおとなしいです。
逆に亀の尾、亀治、金時糯といった古い品種が元気です。
品種による違いもあるけれど、古い品種はバラツキも多いので環境性適応性も高いだろうし、突然変異的に新たな品種が生まれる可能性も高いでしょう。
最近は「儲かる農業」という言葉をよく見ます。
確かに農業経営は割に合わないと思うし、もっと儲かって然るべきだと思います。

ただ僕としては交換価値の高いものを効率良く生産することを第一に目指すのではなく、遠回りだけど経験を積み上げていきたいのです。
そうして育まれたものが自分が食べたいものであり、蒜山耕藝のモットーである「食べたいものをつくる」ということです。

 

 

高谷裕治

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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