今の蒜山耕藝
何ヶ月ぶりかのブログ更新となってしまいました。
田植えからあっという間に2ヶ月が過ぎ、最初に植えた田んぼは穂がだいぶ揃ってきました。
ササニシキは予想よりも10日以上も早く穂が出てしまって、それだけ体づくりが不十分なまま穂が出てしまった印象です。収量にどう響くかとても気になります。
それにしてもなんという忙しさなのか!
農繁期といえども尋常じゃない作業量にさすがに辟易してます。
こんな状態はとても永続的とは言えないので自分自身の整理も兼ねて蒜山耕藝の今を書いてみます。
今年のお米の作付けは全部で約3.5町歩。
うち0.6町歩は地主さんの意向により慣行栽培でつくってます。(政府備蓄米として国へ出荷します。)
お米以外も大体同じくらいなので全体としては7町歩ほどの農地を預かっている状態。
中山間地でこの面積を2 人でやるにはかなり厳しい。
起伏に富んだ地形の中で一つ一つの圃場は大きくなく、その分草刈りの範囲が広くなる。
川に面した圃場は河原の草刈りがもれなくついてきます。
この草刈りにかなりの労力と時間がかかっています。
まだ、作物が育ってくれるところならやる気がでるものの、預かってから4年5年経ってもまったく収入にならない圃場も多く、そういうところって草刈りや圃場の中の管理も厳しいところが多いのです。
草刈りなどの管理作業が多くなると栽培にかける時間が減って、必然的に手のかかる野菜の作付けが少なくなります。田んぼも同じで、もっと草取りに時間をかけたいのにかけられない。
収穫と草取り、種まきの準備、電柵の管理、資材の整理、ハウス周りの整備、草刈り、トラクターでの作業も時間がかかる。
くどの営業、野菜の選別や調整、発送もあります。
5月からずっとそんな状況なので大豆を1.2町歩播種したけど、鳩や猪の対応に手が回らず、残ったのはその5分の1ほど。これが今の蒜山耕藝を象徴してるかもしれません。
そんな状況ですが天気と相談しながらやれることをやる日々です。
草刈りは後回しにしたい気持ちになるけれど、大草にしてしまった後の草刈りは面積が面積なので作業負荷が倍以上になって、それだと体がもたないからいつもどこかで草刈りしているわけです。
この8月は夏野菜の収穫と秋冬野菜の準備、麦の播種準備、草刈りでフル回転。
ほんとだったら人参をもっと増やしたいし、玉ねぎも今年は諦めますがほんとは力を入れてやりたいところ。
じゃあ、どうしたら良いだろうか。
いや、そうではなくて、
どうしたいのか?
何がやりたいのか?
どんな暮らしをしたいのか?
こういうことをしっかりと明確にしないときっと現実は動いていかない。
ここ数年は目の前のことに必死でしっかりイメージできていませんでした。
ここ数ヶ月、命を削るように動いて、体重もだいぶ落ちて周りから心配されて、妻や仲間との時間もまともに取れない状況。
ここ蒜山で暮らしていくこと、
自然栽培という農業で営農していくこと、
蒜山耕藝の食卓 くどにたくさんの人に来てもらって豊かさを感じてもらうこと、
これらは変わりません。
ただ、しなくてはいけないことに縛れられて、自己犠牲的精神になるまで働くのは限界かな、と。
借りている農地を返すことは実は結構難しく、自分が管理しなければ確実に耕作放棄地になってしまうので心苦しくもあります。中には条件の良い農地もあるにはあります。
急に管理農地を減らすことは難しく、おそらく数年は同じ状態が続くことを考えると、できることは作付けの工夫と雇用をすること。
草刈りの一部だけでも人に頼むだけでもだいぶ楽になるはず。
正直、収益もまったく上がらない農地の草刈りを頼むのは勇気のいることなのですが。。。
やっぱりたくさんの人にここ蒜山の魅力を知って欲しいし、自然豊かな環境で暮らす豊かさと醍醐味を知って、移り住むということを選択肢に入れて欲しいし、ぜひここに住んでもらいたい。
でも自分が今のような働き方をしてたら田舎暮らしの大変さだけが目立って逆効果となるでしょう。
何より妻や周りの人たちも疲れてしまうし、そんなの誰も、自分だって望んでません。
だからもうちょっとゆったりできる時間ができるように、
さらに言うなら日本海でサーフィンできるくらいのゆとりができるように、
経済的なこともあるけれど、あまりそれに引っ張られることがないように気をつけながらこれからのことを考えていきたいと思います。
食べたいものをつくる
蒜山耕藝のスローガンです。
以前も今もここから外れていませんが、豊かな暮らしの中でこそ本当に素晴らしいものができてくるはずです。
久しぶりのブログが湿っぽくなってしまいましたが、一番忙しくて苦しい時に今後のことを冷静に考える必要があったらから頑張って書いてみました。
いよいよ来週からはお盆の営業が始まります。
オカズデザインさんによるスペシャルメニューももうすぐ発表できそうです!
お楽しみに!!
8月のくどの営業日について → ●
高谷裕治