蒔かぬ種は生えぬ

 

田植えをしてから1ヶ月弱が経ちました。

 

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春に育苗を失敗して、

今年のヒメノモチは終わったかも!
冬の蒜山◯餅は今年はほとんど無いかも!

なんて本気で不安に駆られるほどの状況だったけど、あの小さい苗達もちゃんとした稲になってきました。
今年は梅雨に入る前から雨が多くて、梅雨入りしてからもやっぱり雨が多いのでなんだかずっとどんよりしていました。
だから低温と日照不足が重なって稲達には厳しい年かと思っていたら、ふと見たら例年よりも勢いがあるような感じになってきました。もちろんまだまだ小さいのですがもうちょっとしたらグググッっと大きくなる、まるでクラウチングスタートでお尻を上げてピストルの音を待っているようです。

 

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左の畔にいる2羽の鴨が可愛い!たくさんあるオモダカという草をぜんぶ食べて欲しい。(全然食べてくれません)

 

こういう自分の持っている先入観や勝手なイメージと実際に起こることとのギャップに直面することはよくあります。
就農してから8年間ずっと直面し続けていると言っても過言ではないです。

 

この畑はものすごく良く出来そうって思っていたのに全滅して自分の見立ての悪さに幻滅したり、
作業を落ち込むほど失敗してネガティブになってもすごく元気に成長して、作物や土に信じてあげられなくてごめん!って思ったり。

そんなことの連続です。

 

そして今年は畑においても新たなギャップに直面しました。

今まで夏野菜が穫れる8月までまともな野菜は穫れません!って思っていたのであんまり春に種まきをしていなかったのです。
もちろん過去に蒔いても出来なかったという経験があったらなのですが。

 

でも、何年も土作りを重ねてきた畑もあったのでもしかしたらとの思いから例年以上にたくさんの種類のタネを買って蒔きました。
葉物もキク科のレタスだけでなくアブラナ科系の野菜も蒔いたし、蒔いてもお盆過ぎるまで収穫できないと思ってずっと作っていなかったツルムラサキや空芯菜なども蒔きました。

まだまだ防虫ネットなどの資材に頼らなくてはならない部分もあるけれど、想像以上に元気に、そして早く育ってくれました。
なんと言ってもそれが美味いのなんので、今まであまり好きではなかった生野菜のサラダをモリモリ食べています。
くどの定食も当分先かと思っていたけど先々週から復活しています。

 

まさに「蒔かぬ種は生えぬ」ということですね。

 

今週もすごく元気なズッキーニや間引き人参、そしてケール・わさび菜・レタスなど葉物や新タマネギ。そして男爵も初登場する予定。
あと絹サヤやスナップエンドウもあるし、そうだ!収穫したばかりのキャベツもあります!
そして貯蔵系の野菜もこれに加わります。ここ数年で貯蔵技術もだいぶ高くなりました。もう収穫して半年以上経ってもまだまだいける大根や、同じく年末に収穫してどんどん甘くなってきたゴボウ。あと、種イモ用に保存していた里芋も数が足りれば使うかも。

 

 

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収穫したばかりものだけでなく、貯蔵野菜、そして穀物。
数年前はこの時期は畑に食べるものがないって嘆いていたのが嘘みたいに選択肢が増えてきて、つくって食べるということの醍醐味ってこういうことか!と改めて台所で食卓で感激してしまいます。

 

今回自分の中の壁が一つ取り除かれました。

 

食卓では、
来年はこれをもっとつくろう!
この野菜は途切れさせたくないからずらし蒔きしよう!
これは来年絶対にポタージュで食べよう!

こんな話をしています。

来年の春からこの時期は今までとは違った畑の景色になることでしょう。
台所から、食卓から、目の前の景色は変わっていくのです。

 

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今週末の日曜日と月曜日、くどオープンします!
いらっしゃる場合は事前に食事のお取り置きの電話をして頂けると嬉しいです。
(℡0867-45-7145)

 

 
高谷裕治

 

 

 

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日常 2020年4月24日
藝のつながり
農作業の合間に
2期目の『小さな農民の会』について