お米の作付け

2020年11月17日


先日は亀の尾の販売をしたところ、多くの方にご注文を頂きました。
今年はササニシキ、亀治、金時、亀の尾と順に販売し、各品種あたり数百キロ程度ではありますが、おかげさまで即日完売となりました。
本当にありがとうございました。

  

本来ならばホッとすることかもしれませんが、自分としてはジレンマを感じえません。
自分が食べたいと思うお米は一口食べて美味しい!と思うようなお米ではありません。インパクトは無いけれど毎日食べても飽きることのない、食べる人の心体と日常に溶け込むようであったらいいな、と思っています。
実際、育ったお米は年々そういうお米になってくれていると実感もしています。しかし、新米の販売と共に在庫が無くなってしまいます。多くの方が一年を通して食べたいと思ってくださっていると感じるのですが、結果的に新米の時期にしかお届けできていないのが現状です。

 

今、蒜山耕藝が管理している農地は7ha弱です。そのうちお米の作付けは半分以下の3ha弱に留まっています。できることならば7haすべてでお米をつくりたいと思うところですが、多くの農地は水路が機能していなかったり、様々な理由でお米をつくれないのです。
かといって、そこを放置することはできないし、麦、大豆、ソバなども必要です。
そういった他の穀物を育てることによってこの土地の力を活かそうと思っています。

  

  

では、もしお米をつくれる農地がみつかったらどうするか?

それは大いに望むところではありますが、現実はそう甘くありません。
現在使っているトラクターなどの農業機械では今くらいの面積が限界です。
自前のしっかりとした建物と乾燥調整設備も必要となるので、これ以上の作付けをするためには1,500万円以上の設備投資が必要になると思います。
それ以外にマンパワーも必要になります。
いまの自分たちにとってそれは現実的ではないし、自分の米づくりの技術も確信できるものでは無いので融資を受けて冒険する勇気もありません。
でもお米を必要としている人にはできるだけ届けたいと気持ちもとても強く思っています。

ではどうしたら良いのか?

価値観や社会の構造が揺れ動いている中、農業者としてジレンマを感じながら今後どうしていこうか悩む日々を送っています。

  

 

そうそう!同じ蒜山・中和地域で米農家を営む禾(こくもの)のこんちゃん夫妻の自然栽培ササニシキを販売されています。
もしもお米を探している方がいらっしゃったらぜひこちらのページをご覧くださいね。→
2年目での味の変化を感じたこんちゃん。
私たちも同じような経験をしました。期待からの絶望感。
でも私たちの管理している田んぼで一番生育が良いのはそういう過程を経た田んぼです。その経験が私たちの礎となってます。
そしてその時に買って、食べて頂いた方には今でも感謝の気持ちで一杯です。
こういった過程も含めて、応援していただけることが本当にありがたいと感じています。

  


そして、蒜山○餅の季節も近づいてきました。
販売の告知を近日中にしたいと思いますので、こちらもどうぞよろしくお願いします。

  

  

  

高谷裕治

  

  




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