どぶろく「代満」
2024年4月8日
蒜山耕藝の12周年記念日でもある2024年4月12日にどぶろく「代満」の販売を開始します!
自分たちの人生はいつも予想外の展開で、お米をつくるとは全く思っていなかったし、まさかお酒もつくることになるとは夢にも思っていませんでした。
どぶろくを販売するにあたっても今だに実感が湧かず不思議な感じがしています。
どぶろくをつくるに至った経緯はゆくゆく紹介できたらと思いますが、これまでの蒜山耕藝の自然栽培的な生き方(もしくは場当たり的な生き方?)の中でどぶろく造りを始めることになりました。
自然や土や植物と向き合い、その実践から与えられることを学び、食べる糧を頂く暮らしの中で、何か新しいことをやる流れになった時にそれをしたいかどうかを考える。
目標を定めたり、計画的に物事を進めていくことが至極苦手な自分たちにとって、そういう自然栽培的な生き方がやっぱり向いているなーと思っています。
農家になったのも、蒜山に住んだのも、米をつくり出したのも、くどを開いたのも、その生き方の中で至ったこと。
計画していたことはひとつもありません。
そして今回のどぶろくですが、自然栽培のお米を育てるのと同じ気持ちで作りました。
特定の味や方向を定めてつくり上げていくのではなく、米、菌、水が発酵したいように任せています。
そもそも醸造に関して知識も技術も無い自分はコントロールできる訳がなく、ただただ原料たちの力を信じるだけです。
自分はこの土地の自然に対して全面的に信頼していて
「米も元気に育ったんだからお酒も元気に発酵してくれるはず」との思いで仕込みました。
とはいえ、醸造における工程はしっかりおさえたつもりです。
お米は自分たちが自然栽培で育てた「亀治」という品種です。
米麹をつくるところがまず初めのスタートです。
酒母は生酛で仕込みました。
乳酸菌や酵母は一切添加せず、30日から40日かけて蒜山の低温にも耐えるような少数精鋭の強い酵母が育つように心がけました。
仕込みは3段仕込みで行いました。
熟成期間は通常30日程度のことが多いですが、今回は50日から60日かけて長期間熟成させました。
そして飲み口ですが、甘口ではない、切れた飲み口となりました。
しっかりと発酵させたこと、甘酒も加えていないことが理由です。
味の良し悪しは人によって好みがあるのでなんとも言えませんが、
個人的には原酒でアルコール度が15〜16%までいってくれたことは元気の良さの証だと思うので満足感を覚えています。
自然栽培で稲が逞しく育ってくれたらそれだけで嬉しいですから。
最後にどぶろくの名前の「代満」について。
読み方は〈しろみて〉で、田(代)が満つること、田植えが終わったことを田の神に報告して共に祝う行事のことです。
その神様と共に祝うという考えと、〈しろみて〉という言葉の響き、〈代〉とどぶろくの〈白〉の韻に惹かれ商品名にしました。田の神様と飲むならやっぱり共に育てた米と水で醸されたお酒が相応わしいと思い名にしました。
この地で生まれた稲とこの地の水で造った「どぶろく」。
みなさんにお届けできることが本当に幸せです。
高谷裕治
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