ただ、毎日気持ちよく歩きたいから。
耕作放棄地の開墾をしました。
耕作放棄地の解消は今の自分にとって最重要課題ではないけれど、どうしてもやりたくなって久しぶりに耕作放棄地に手を入れました。
理由はシンプル。
ただ、毎日気持ちよく歩きたいから。
我が家とお向かいに住む杉ちゃん家から、堀・坂野家まで600mしかありません。
その間にあるのは山と川と田んぼと畑。
緩やかに蛇行する道を歩いていると、風の音、鳥のさえずり、多様性のある植物、起伏の多い地形とただ歩くだけで決してあきることがなく、とても気持ち良いのです。
その途中に耕作放棄地があって、ずっとイノシシが掘り返すだけの区画でした。
細長いその畑の下には川が流れており、畑から川までの落差は30m以上もあり崖とも言える地形です。
耕作して作付けし、そこから利益を得ることは難しく耕作放棄地になっても仕方無いとも思えます。
でもその奥に堀・坂野家ができてやっぱりどうしてもそこをなんとかしたいと思いました。
限られた人しか通ることは無いこの道だけど、僕を含めてそこを通る人が少しでも気持ち良くなったいいなと思ったし、不安定な崖地形を安定させたいとずっと思っていたから。
そんなことを杉ちゃん、堀さん、坂野さんに話したら、みんなで手を入れよう!って話になりました。
地主さんに想いを伝え許可を得て、ネットで果樹の苗木を購入し、ユンボで整地して、苗木を定植する。
経済活動ではなく、ただただ美しい景色にしたいから、毎日気持ち良く歩きたいから、そんな理由でお金を出し合ってみんなで汗をかく。
最近こういうことに時間を費やすことに幸福感を感じます。
コロナウイルスをきっかけに僕はこれを機に社会が変わってほしいと願っています。
だけど僕には社会を変える力はないし、ビジョンも何もない。
でも、ここが田舎の良いところ。
自分達の暮らしている場所の景色は自分達次第でどうにでもなるってこと。
暮らしぶりがそのまま景色に影響を与えるのです。
景色に与える裁量権や大きさが街に比べてとてつもなく大きいのです。
食べ物も大切だけれど、人間寝ている時以外はずっと何かを視ている訳だから少しでも美しいと感じるところに住むことも大切だなーって思います。
もちろん価値観は人それぞれだから絶対ではないのだけど、同じように思える仲間が近くにいて一緒に汗をかける幸せ感じた1日でした。
高谷裕治