大豆をつくり続ける

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今年の大豆の収穫を終えました。

 

僕にとって大豆は米と同様に思い入れが特に深いものなのです。
豆として食べるのはもちろんのこと、味噌、醤油、納豆といった暮らしに欠かせない発酵食品の原料にもなるし、あの馨しいきな粉にもなる。

 

そして何と言っても僕の大好きな豆腐や厚揚げや油揚げにも!

 

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何度か紹介している今年4月に正式稼働した小屋束豆腐店さん。
きれいな水と地元の薪を使って、かまどで呉を炊き上げて素晴らしい豆腐をつくってくれています。
美味しい豆腐と揚げをいつでも買えるのはここでは既に当たり前になったけど本当に幸せなことです。

 

毎日小屋束豆腐店さんを横目に見ながら軽トラを走らせていると、胸の中で大豆生産意欲がメラメラと燃え上がってくるものがあるのです。

現在は月に2回程、蒜山耕藝の大豆で豆腐を仕込んでくれていますが(小屋束豆腐店さんのHPから購入できます!)もっとたくさん大豆をつくって豆腐や揚げをたくさんつくってもらいたいのです。

 

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この土地の水と風土の中で育った自然栽培の大豆。
そしてここの水と木と火の力で豆腐になる。
さすがにニガリはこの土地のものでは無いけれど、99%ここ中和地域の大豆です。

 

改めて考ると、これ以上無くシンプルで当たり前とも言えるこの豆腐は、今の社会では非常に稀なものになっています。それは仕方ないことかもしれません。実際、このシンプルな豆腐をつくるのは非常に大変です。

 

僕自身の力量不足ではあるけれど、小屋束豆腐店が必要とする大豆の生産力がありません。生産力が上がったとしても一般の大豆の価格よりも高いので、豆腐自体の価格も高くなります。豆腐屋さんも経営していかなくてはなりません。

 

豆腐屋さんの数も減る中で、人口が少なく、交通の便も良くないこの土地で、薪と竃で豆腐をつくる加工所を開くだけでも大冒険です。それに加えて地場産自然栽培大豆なんて大大大冒険です。

 

豆をつくるのが大変。
豆腐をつくるのも大変。(だって薪を炊くところからですよ!1日の生産量も僅かです。)
豆腐屋を始めるのも大変。

続けるのはもっと大変なんだと思う。

 

適正価格をつけたとしても量が量なので利益もそんなにありません。
一般的な価値観から行ったら不効率極まりないことでしょう。

 

でも小屋束豆腐店さんが作り続けてくれる限り、この不効率かもしれない当たり前の豆腐づくりに関わり続けていきたいのです。
もちろん美味しい。美味しい以上に感じるものがあります。
自分が当たり前に食べ続けていきたいというのも大きいですが他にも理由があります。

 

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科学技術の進歩はますます進み、農業の分野においても最新技術が活用されてきています。人手不足が進む中山間地においても恩恵を受けることになるでしょう。

でもその一方、世の中の空気感がどんどん窮屈になり、息苦しさが増しているように感じます。人間味が薄れているというか殺伐とした感じが増しているとも感じます。

なんだかすごく今の社会に対して居心地の悪さを感じることがよくあるのですが、当たり前の豆腐づくりのような不効率で人間臭いことをしていると、逆に安心感とも言える居心地の良さを感じるのです。

うまく言えないけど、これを続けることでブレイクスルーできる何かがあるのだと思っています。だから僕はこれからも大豆をつくり続けるし、豆腐も食べ続けます。

 

そんな感じで足元の自然を大切にしながら、自然だけでなく、周りの人とも一緒になってちょっとずつ当たり前のことを当たり前にしていくのが目標です。

 

そういう意味においても米、麦、豆、ソバなどの穀物は大切だし、可能性を感じるのです。

それを1農家がちょっとずつ作るのは極めて不効率というか無理があるのでそこはなんとかしなきゃなんですが。(と言いつつしばらく頑張りますけどね。)

 

 

高谷裕治

 

 

 

 




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